再建築不可物件は耐震補強できる?リフォームのメリットと注意点
記事公開日
最終更新日 2022年4月22日
近年の大型地震の発生により、所有する物件の耐震工事を検討している方が増加しています。特に、再建築不可物件は建築から長期間経過しているものが多く、所有者の多くが耐震性能に不安を感じていることでしょう。
再建築不可物件に耐震補強工事を施すことは可能なのでしょうか?この記事では、再建築不可物件の耐震補強工事の方法や、検討するうえでの注意点を紹介します。
目次
■再建築不可物件の耐震性能は?
再建築不可物件は老朽化した古い建物が多く、不動産市場で出回っている多くの中古物件より耐震性能で劣るのが一般的です。
再建築不可物件は、現行の建築基準法ができる前に建築されたものも多く、新築の時点でも現行の耐震基準に適合していなかったものが多くあります。また、築40年、50年以上が経過している物件が珍しくなく、耐震性能だけでなく耐火性能の面でも不安を抱えている建物は珍しくありません。
再建築不可物件は基本的に建て替えが行なえないため、継続して保有し続けるか、耐震性や耐火性が気になる場合には売却、または更地にして貸地にする選択肢があります。
一方、現状での耐震・耐火性能に不安のある物件でも、リフォームやリノベーションを行ない耐震補強工事を施すことにより、地震に強い家にすることも可能です。
■再建築不可物件は耐震補強リフォームで生まれ変わる
先述のように、耐震補強を行なうことで、古い再建築不可物件にも耐震性能を備えることができます。しかし「再建築不可物件は工事できないのではないのか?」「古い家にそこまでするメリットはあるのか?」と感じる方もいるでしょう。耐震補強工事が可能な範囲とリフォームのメリットを見てみましょう。
◇耐震補強リフォームできる範囲
再建築不可物件は、工事の際に建築確認申請に通らないことから、建て直しのできない物件です。では、リフォーム工事はできないのでしょうか。
実は、再建築不可物件であっても、多くの場合建物の面積が増加しない範囲でなら、フルリフォームが可能です。再建築不可物件の多くは“2階建て以下”かつ“木造建築”であり、リフォームの際に建築確認申請が不要な“4号建物”に分類されるからです。
【4号建物とは】
木造2階建て以下かつ延べ面積が500平方メートル以下の建物
非木造建築物で1階建てかつ延べ面積が200平方メートル以下の建物
再建築不可物件が上記の4号建物に該当する場合はフルリフォームが可能なため、費用に糸目をつけないと仮定すれば、耐震性能を現行の最高基準まで高めたり、耐火性能の向上を図ったりすることも可能です。古い家であっても災害に強い家に生まれ変わらせることができます。
◇再建築不可物件を耐震補強リフォームするメリット
古い再建築不可物件に、わざわざ耐震補強リフォームを施す意味はあるのか、と疑問に感じる人もいるかもしれません。しかし、再建築不可物件を住居とするのなら、耐震補強工事を行なう意味は十分にあるといえます。
耐震補強を施すことで、地震による倒壊・損傷リスクを軽減できるため、住人の安全につながります。また、耐震補強と同時に内装を変更すれば、より住人のライフスタイルに合った間取への変更も可能です。新築物件のような外観と住み心地を実現することもできるため、メリットは大きいといえるでしょう。
■再建築不可物件の耐震補強リフォーム費用は高い?
再建築不可物件への耐震補強工事を検討するうえで、気になるのが費用面です。どの程度の費用がかかるのか確認してみましょう。
◇一般的な費用と工事期間の目安
リフォームの費用は家の面積や物件の状況により大きく異なるため、確実なのは工務店に依頼して見積もりを取得することです。一般論を述べると、部分的なリフォーム工事であれば数百万円で済むこともあります。ただし、耐震補強込みのフルリフォームを行なうとなると、1,000万円から2,000万円の費用が必要になることも珍しくありません。
大規模工事を施工するのであれば、工事にかかる期間も長く、6ヵ月~8ヵ月程度は見込んでおく必要があります。居住中の家を工事するのであれば、仮住まいも用意しなければなりません。
古い住宅の耐震補強工事に対しては、所定の条件をクリアしていれば、居住している自治体から助成金・補助金が出る場合があります。
・耐震補強工事の助成金(新宿区の場合)
新宿区では、再建築不可物件に対し、耐震補強工事の助成金を用意しています。工事の内容に応じて、耐震補強工事の費用の8分の3(上限150万円)から10分の3(上限75万円)の助成を受けることが可能です。
◇耐震補強リフォームならローンも使える
リフォームをしたいけれど費用の捻出が難しい場合は、リフォームローンの利用も検討できます。再建築不可の物件であっても、金融機関のリフォームローンを利用できることがあるのです。
住宅ローンのように物件を担保に入れるタイプのローンでは、再建築不可物件の売却価格の低さから融資を断られることが多いです。そのため、住宅ローン一体型のリフォームローンの融資は期待できません。しかし、無担保型のリフォームローンであればその限りではなく、借主の信用に問題がなければ融資を受けられることもあります。
再建築不可物件のリフォームに対して融資実績のある金融機関も存在するため、ローンの利用を検討する場合は相談してみるとよいでしょう。
■耐震補強リフォームの注意点
実は、再建築不可物件は工事費用の捻出さえできれば必ずしもリフォーム工事ができるわけではありません。再建築不可物件ならではの事情で、そもそも工事ができない、見積もり以上の料金が発生するなどのケースも存在します。
まず、物件が接道している道路が極端に狭い、奥まった場所にあるといった場合は工事用の重機が入れられない可能性があります。機械が入らない分料金が割高になる、もしくは、そもそも工事を断られるといったケースも多いです。
また、再建築不可物件は建物が古いことから、着工後に追加の費用が発生することもあります。例えば、柱が腐っており補強や取り換えが必要になる、シロアリ被害が想定より甚大で防虫施工が追加で必要になるなど、見積もり段階では判明していなかった損傷があとから明らかになるケースが代表的です。必ずしも見積もりの金額では収まらないこともあるという点を覚えておきましょう。
さらに、補強工事の範囲が広いケースでは、工事の費用自体が相当に高額になることもあります。新築の住宅を新たに購入した方が安いケースもあるため、売却も視野に入れて費用と効果のバランスを考慮し決定することをおすすめします。
■まとめ
再建築不可物件は古い建物が多く、耐震性能が現行基準に適合していないものが散見されます。そのため、住居として使い続けるのであれば、耐震補強工事を行なうのが選択肢の一つです。木造2階建てまでの物件であれば、多くの場合リフォームに建築確認申請は不要であり、耐震補強を含めたフルリフォームができます。
一方、リフォームには高額な費用がかかり、見積もりの金額に収まらないケースも。補助金も利用できますが上限が設定されているため負担軽減の効果は限定的です。耐震補強工事を検討する際は、工事したときと買い替えたときの費用負担も比べながら方針を決定しましょう。
なお、再建築不可物件は仲介で買い手を見つけることは困難なため、専門業者への売却がおすすめです。当社は訳あり物件の専門業者として、多くのお客様からご相談を受けてきました。耐震補強工事の可否を決めかねているお客様も大歓迎です。当社の見積もりを判断材料の一つとしていただければ幸いです。
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