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 再建築不可物件の所有者必見!43条但し書きの概要や注意点など解説



記事公開日

最終更新日 2022年5月19日


 
「再建築不可物件」は、原則として建て替えや増改築ができないため、売却活動を行なっても買い手がつきにくく、再活用が難しい側面があるでしょう。しかし、再建築不可物件でも「43条但し書き」の許可を得られれば、再建築が可能です。
 
2018年に建築基準法が改正され、「43条但し書き」は「第43条第2項第2号」に変更となり、加えて「第43条第2項第1号」が新設されています。従来の43条但し書きでは、一律、建築審査会の同意のうえで許可を受けなければなりませんでした。
 
一方で建築基準法改正後は、第43条第2項第1号に該当する物件に限り、建築審査会の「許可」ではなく「認定」で足りるようになっています。
 
とはいえ、不動産業者や行政担当者などは、従来どおり「43条但し書き」と呼んでいるケースが多いのが現状です。そのため、本記事では「43条但し書き」と表現しています。
 
今回は、再建築不可物件を救済する43条但し書きの概要や手続きの流れ、43条但し書きに関する注意点などを解説しますので、参考にしてください。
 

■再建築不可物件を救済する43条但し書きとは?

 

 
再建築不可物件の定義と、再建築不可物件を救済する「43条但し書き」の概要について解説します。
 

◇再建築不可物件とは?

 
再建築不可物件とは、建築基準法第43条で規定されている、「接道義務」の条件を満たしていない物件のことです。
 
接道義務とは、「幅員4メートル以上ある建築基準法上の道路に対して、建築物の敷地は2メートル以上接していなければならない」というルールを指します。このルールのおもな目的は、万が一の非常時に避難や救助、消火活動などをスムーズに行なえるようにして、住民の安全を確保することです。
 
再建築不可物件に該当する場合、ただちに罰則が科されるわけではありませんが、上記の目的により、更地にして新たに建築物を建てたり、増改築したりすることはできません。
 
再建築不可物件についてのさらに詳しい説明は、以下の記事を併せてご覧ください。
 
→ 再建築不可とは?知っておきたいメリット・デメリット・売買のポイント
 

◇建築基準法43条但し書きの概要

 
国内には、1950年の建築基準法や、1968年の都市計画法の制定前に建てられた建築物が数多く残っており、接道義務を果たしていないケースも少なくありません。
 
そのような物件の救済措置として、建築基準法「43条但し書き(第43条第2項第2号)」では、以下の内容が規定されています。
 
<条文>
その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
引用:建築基準法第43条第2項第2号
 
すなわち、建築審査会の許可を受けられれば、再建築不可物件でも例外的に、再建築や増改築を行なうことが認められる、という内容です。
 

■【再建築不可】43条但し書き許可の手続きについて

 
43条但し書きの許可を受けたい場合は、所定の手続きを踏む必要があります。
 
自治体によって独自の基準が設定されていることもありますが、一般的な手続きの流れは次のとおりです。
 
1. 事前相談

2. 事前協議の準備

3. 事前協議

4. 許可申請の準備

5. 許可申請

6. 許可通知
 
それぞれのプロセスについて、詳しく解説します。
 

◇1.事前相談

 
まずは、市区町村の建築課などの窓口を訪問して、43条但し書き許可について相談してください。
 
事前相談の段階で、許可を受けたい建築物の場所がわかる住宅地図や、現況写真などを求められる可能性もあります。不安な場合は、窓口を訪問する前に電話で問い合わせておくとよいでしょう。
 

◇2.事前協議の準備

 
43条但し書き許可の可否について事前協議が行なわれるため、許可申請用の書類とは別に、事前協議用の書類を提出します。
 
必要となる書類は、事前協議書、公図、登記事項証明書、現況写真、建築計画概要書などさまざまです。自治体のホームページなどで確認しておきましょう。
 

◇3.事前協議

 
提出された事前協議用の書類をもとに、担当職員が現地調査などを行ない、43条但し書き許可を出せる見込みがあるかを確認します。
 
事前協議が終わるまで2週間~1ヵ月ほどかかるため、余裕を持って書類を提出することが大切です。
 

◇4.許可申請の準備

 
事前協議が終了し、問題ない旨の回答を得られたら、許可申請用の書類を提出します。建築審査会の開催日はあらかじめ決められているため、書類提出の締切日に遅れないよう注意しましょう。
 
なお、書類は正副2部以上求められる可能性があり、また申請手数料も準備しておく必要があります。
 

◇5.許可申請

 
「包括同意基準(一括審査基準)」や「個別同意基準」に基づき、特定行政庁および建築審査会による審議が行なわれます。
 
包括同意基準とは、許可手続きの迅速化を図るため、あらかじめ建築審査会の同意を得たものと考えて良い基準のことです。すなわち、包括同意基準をクリアしていれば、原則として許可を受けられます。
 
一方、包括同意基準を満たさない場合は、個別同意基準に基づく個別審査のうえ、建築審査会からの同意を得なければなりません。
 

◇6.許可通知

 
許可申請が完了したら、消防同意や現場整備を経て、許可通知書が交付されます。許可通知書の交付をもって、43条但し書き許可を無事受けたことになるため、そのあとは建築確認申請を行なえば建築が可能です。
 

■【再建築不可】43条但し書きに関する注意点

 
最後に、43条但し書きに関する注意点について解説します。
 

◇43条但し書き許可は建築物が対象

 
43条但し書き許可は、再建築不可物件そのものではなく、そこに建てられる建築物に対して適用されるものです。今回許可が出たからといって、以後の建築がすべて認められるわけではないため、今後も建築のたびに許可を得なければなりません。
 
また、建て替えや増改築などを再びするときには、そもそも法律が変わっている可能性もあることを念頭に置いておきましょう。
 

◇資産価値の低さは変わらない

 
接道義務を果たしている物件に比べると、再建築不可物件はどうしても資産価値が低くなってしまいます。43条但し書き許可を受けても、資産価値の低さは変わりません。
 
ローンを組むことが難しいため、物件の売却でも依然として不利になりやすいでしょう。
 

◇43条但し書き許可を受けられるとは限らない

 
43条但し書き許可の申請を出しても、許可相当と認められなければ、特定行政庁や建築審査会の同意を得られない可能性があります。
 
43条但し書き許可を受けられる前提で売却する際には、許可を受けられなかった場合の特約を求められるケースが多いでしょう。

 

■まとめ

 
建築基準法の43条但し書きとは、再建築不可物件の救済措置にあたるものです。43条但し書き許可を受ける場合には、自治体ごとに必要とされる手続きを踏む必要があります。
 
ただし、仮に43条但し書き許可を受けられたとしても、将来にわたってすべての建築が認められるわけではなく、建築のたびに許可を得なければなりません。また、資産価値の低さは変わらない点も考慮しておきましょう。
 
第一土地建物では、売却や再活用のしにくい再建築不可物件を専門に取り扱い、査定から買い取りまで一貫したサポートを提供しています。再建築不可物件の買い取り・売却に関して困りごとがある方や、売却を検討している方などは、ぜひお気軽にご相談ください。

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【著者】 岡村 岳 (第一土地建物 株式会社 代表取締役)

当サイトを運営する第一土地建物株式会社の代表取締役。1982年生まれ。

専修大学法学部卒、株式会社エイビスにてマンション販売事業・戸建仲介事業に従事し、長田商事株式会社を経て2016年に第一土地建物株式会社へ専務取締役として参画。2017年に代表取締役に就任。

関東近郊を中心として、さまざまな条件のついた流通の難しい不動産の扱いに専門知識を持ち、年間100件以上の再建築不可物件に携わる。



お問い合わせから引渡しまでの流れ

  1. STEP01 お問い合わせ
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  2. STEP02 物件の調査
    再建築可能か不可か調査し、再建築不可であれば、可能に出来るのかも含めて調査致します。
  3. STEP03 査定
    再建築が可能な場合と再建築不可だった場合での査定額を迅速に提示致します。
  4. STEP04 契約
    物件の査定額にご納得いただければご契約の流れになります。
  5. STEP05 お引き渡し
    最終残代金をお支払いした後、鍵のお引き渡しになります。

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