連棟式建物が再建築不可になる理由とは?再建築可能にする方法を紹介
記事公開日
最終更新日 2024年3月18日
複数の物件がつながっている形式の建物を、連棟式建物と呼びます。連棟式建物は、その特殊な構造や居住者の権利関係から、再建築不可となるケースが多いことが特徴です。
そんな連棟式建物を再建築するにはどのような方法があるのでしょうか。
この記事では、連棟式建物の特徴と、連棟式建物が再建築不可になりやすい理由を解説し、連棟式建物を再建築する方法を紹介します。連棟式建物を所有しており、再建築を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
連棟式建物とは?
連棟式建物とは、いくつかの物件がつながった形式の建物で、いわゆる長屋のことを指します。基礎や屋根、柱などが隣家とつながっているため、建物の構造はマンションやアパートに似ています。
連棟式建物が再建築不可となる理由について解説する前に、まずは連棟式建物の概要や種類、連棟式建物が建てられた背景についてみていきましょう。
連棟式建物の種類
連棟式建物には、テラスハウスやタウンハウスなどの方式があります。
テラスハウスは、建物がつながっているだけで敷地は明確に分離されている連棟式建物です。土地と建物の所有者は同一であり、共有部分はありません。
一方、タウンハウスは、建物は区分所有で、敷地は共有されています。共有部分がある分、タウンハウスはマンションに近い所有形態であり、共有部分の管理のために管理組合の結成も必要です。
ただし、ここで紹介したテラスハウスとタウンハウスの区別は、あくまで一般的なものです。より複雑な権利関係になっている建物もあるため、連棟式建物の種類を判別する際は、登記事項証明書などで確認するとよいでしょう。
連棟式建物が建てられた背景
連棟式建物は、建築コストを抑えられ、土地を効率良く利用できることがメリットです。
一戸建てを建築する場合、水道やガス、電気などのインフラ設備は戸別に整備する必要があります。しかし、建物の構造部分を共有している連棟式建物は、インフラ設備を共同で整備するため、建築費用を安く抑えられます。
また、連棟式建物なら、住宅が壁を共有しているため、隙間なく住宅を配置できます。住宅同士に隙間がない分、狭い土地でも複数の建物を建設できるため、連棟式建物は戸建てよりも土地を効率良く利用できるのです。
ただし、連棟式建物には売却や再建築が難しいといったデメリットもあります。次の項で、連棟式建物の再建築の問題点について詳しく見ていきましょう。
連棟式建物の所有部分は再建築不可?再建築が難しい理由
連棟式建物は、たとえ自身が所有する部分であっても、再建築は基本的に困難となります。なぜ再建築が困難なのか、その理由を2つ解説します。
切り離しでは接道義務など建築基準法を果たせなくなる
連棟式建物は、建築当時、建物全体で建築確認を受けています。そのため、連棟式建物のうち一戸を再建築したい場合には、隣家の許可を受け、建物の「切り離し」の手続きが必要です。
「建築基準法」の第42条、43条では、都市計画区域内および準都市計画区域内で建物を建設する場合、原則として幅員4m以上の建築基準法上の道路に、2m以上接道していなければならない、と定められています。これを接道義務と呼びますが、敷地が狭いと、切り離し後に接道義務を果たせなくなる可能性があるのです。
参考:建築基準法 第四十二条、建築基準法 第四十三条
テラスハウスの場合でもタウンハウスの場合でも、連棟式建物の一戸のみを再建築する場合は、再建築する一戸単独で接道条件を満たさなければなりません。
また、切り離しの結果、敷地面積最低限度などの建築基準法における要件を満たせず、再建築不可となるケースもあります。
そもそも切り離しが難しい
タウンハウスの場合、土地は建物所有者によって共有されているため、「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」の第62条により、建て替えには所有者の5分の4以上の賛成が必要です。
参考:建物の区分所有等に関する法律 第六十二条
また、テラスハウスは、土地は単独所有ですが、切り離しには両隣の同意が必要です。しかし、両隣の切り離し同意が得られても、前述の接道義務などの関係で再建築できないケースもあるため注意しましょう。また、タウンハウスの場合と同様、再建築には所有者の5分の4以上の賛成が必要と判断されるケースもあります。
さらに、切り離しにともなって発生する工事費は全額施主負担となります。隣家の耐震補強などの工事費用も施主負担となるため、切り離しにかかるコストを負担できずに、再建築に踏み出せない場合もあるでしょう。
また、境界上に共有柱が建っていることが多く、切り離し後の建築可能面積が少なくなる可能性があることにも注意が必要です。
連棟式建物を再建築可能にする方法
切り離しによる再建築が困難な連棟式建物でも、建物全体の建て替えなら再建築が可能です。連棟式建物を再建築可能にするには、どのような方法があるのか、2つの方法を紹介します。
連担建築物設計制度を利用する
連担建築物設計制度とは、各建築物の位置・構造が安全上、防火上、衛生上支障がないと認められる場合、複数建築物が同一敷地内にあるものとみなして建築規制を適用できる制度です。
連担建築物設計制度が活用できれば、接道条件を満たしていない物件や日影規制により再建築ができない物件でも、再建築が可能になります。
ただし、制度は隣接した土地でしか適用できず、適用には、防災上の問題のクリアなど、条件調整が必要です。制度活用のためにとるべき手順も多いため、現実的には制度を活用しての再建築は難しくなるでしょう。
ほかの居住者が所有する部分を買い取る
連棟式建物は建物全体で考えると再建築の基準を満たしているため、ほかの居住者が所有する部分を買い取り、建物全体として再建築する方法もあります。ほかの居住者と交渉し、買い取りが可能かどうかを確認してみましょう。
ほかの居住者が所有する分を買い取る場合、相場よりも取引価格が低くなることが多くなります。買い取りの交渉をする際は、相場を調べたうえで、不動産会社などと協力しながら手続きを進めていくとよいでしょう。
再建築が難しい連棟式建物は「第一土地建物」にご相談を
老朽化によって再建築や切り離しが難しい連棟式建物を処分したい場合、再建築せず売却するという方法もあります。しかし、連棟式建物は、制約が多いため、買い手がつきにくいのが現状です。
第一土地建物では、専門業者ならではのノウハウで、通常の不動産会社が敬遠しがちな連棟式建物などの再建築不可物件の買い取りを専門的に行なっています。
物件の調査・査定から買い取り・販売の流れをトータルで担うため、最短即日での査定結果報告と高価買取が可能です。雨漏りやシロアリ被害など、忌避されやすい条件のある物件でも対応いたします。
第一土地建物へのお問い合わせは、下記リンクから行なえます。連棟式建物の処分でお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
⇒ お問い合わせ
まとめ
複数の建物が構造を共有する連棟式建物は、建築価格が低く、土地を有効活用できるというメリットがある一方、再建築が難しいというデメリットもあります。
連棟式建物を再建築する方法には、連担建築物設計制度を利用する方法と、ほかの居住者が所有する部分を買い取る方法があります。再建築を希望する場合は、これらの方法を採用できるか検討してみましょう。
連棟式建物を再建築せず、手放したい場合は、再建築不可物件の買取専門業者である第一土地建物へご相談ください。第一土地建物なら、買い取りが難しいとされる物件でも調査・査定いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
年間100件以上を扱う第一土地建物なら、お客様のご要望に応じた買取プランをご用意いたします。
お問い合わせから引渡しまでの流れ
-
- お電話または問合わせフォームよりお問合わせください。
-
- 再建築可能か不可か調査し、再建築不可であれば、可能に出来るのかも含めて調査致します。
-
- 再建築が可能な場合と再建築不可だった場合での査定額を迅速に提示致します。
-
- 物件の査定額にご納得いただければご契約の流れになります。
-
- 最終残代金をお支払いした後、鍵のお引き渡しになります。
再建築不可買取の関連コラム一覧
お知らせ・ニュース
- 2023年12月24日
- 冬季休業のお知らせ
- 2023年8月1日
- 夏季休業のお知らせ
- 2023年4月21日
- ゴールデンウィーク休業のお知らせ
- 2022年12月13日
- 冬季休業のお知らせ
- 2022年4月18日
- 2022年GW休業のお知らせ
- 2021年4月12日
- 2021年GW休業のお知らせ
- 2021年1月9日
- 新年のご挨拶
- 2020年12月7日
- 冬季休業のお知らせ
- 2020年8月1日
- 夏季休業のお知らせ
- 2020年7月28日
- 新規物件を買取致しました!