再建築不可物件に必要なセットバックの手続き、工事の流れとは?接道義務の概要も解説
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最終更新日 2024年3月18日
売ろうと思っていた土地が再建築不可物件に該当し、対応に困っている方は多いのではないでしょうか。しかし、再建築不可物件であっても「セットバック」を行なうことにより、売却できる可能性があります。
セットバックを実施する際は、事前にさまざまな準備が求められるため、正確に把握しておきたいところです。
今回の記事では、再建築不可物件に関する基礎知識を踏まえつつ、セットバックの概要や必要性、手続きや工事の流れについて解説します。
■再建築不可物件に関する基礎知識
基礎知識として、再建築不可物件の概要や接道義務の目的、接道義務における例外のケースを解説します。
◇再建築不可物件とは?
再建築不可物件とは、建物の建て替えが認められていない物件(土地)のことです。再建築不可物件の場合、既存の建物を解体して更地にすると、原則として新たな建築物を建てることができません。
物件が再建築不可物件に該当するかどうかは、建築基準法上の「接道義務」に基づいて判断されます。接道義務とは「幅員4m以上の道路に対し、2m以上接地する」というものです。
再建築不可物件となる接道義務違反のパターンをまとめたので、以下も併せてご確認ください。
● 土地が道路にまったく接していない
● 土地が道路に接しているものの、接地幅が2m未満
● 土地が建築基準法上の道路(幅員4m未満)や私道とのみ接している
再建築不可物件は活用方法が限られてしまう分、一般的に資産価値が低くなりやすく、売却も難しい傾向にあります。
なお、再建築不可物件の詳細については、こちらの記事も要チェックです。
⇒ 再建築不可とは?知っておきたいメリット・デメリット・売買のポイント
◇接道義務とは?
接道義務という厳格なルールがある最大の理由は、建築基準法上の道路がない土地に建物が建たないようにするためです。
そもそも接道義務には、緊急車両の通り道や避難経路、快適に生活できるスペースを確保するという目的があります。
接道義務における建築基準法上の道路は、同法第42条にて定義されているものです。 道路の種類を表形式でまとめたので、こちらも併せてご確認ください。
建築基準法種別第42条1項 種類
1号 道路法によるもの
2号 都市計画法や土地区画整理法などによるもの
3号 建築基準法施行前から存在するもの
4号 道路法や都市計画法などに基づき、2年以内に事業が行なわれる予定があり、特定行政庁が指定したもの
5号 特定行政庁が指定したもの
再建築不可物件が存在する理由は、法律ができたタイミングにあります。建築基準法は1950年、都市計画法は1968年に制定されたため、それ以前の物件は接道義務を果たしていないケースがあるのです。
なお、接道義務については、以下の記事でも詳しく解説しています。
⇒ 接道義務とは?不動産購入で知っておきたい接道義務のイロハ
◇接道義務で例外になるケース
接道義務を果たしていなくても、以下のように例外で建築が認められるケースがあります。
・2項道路(みなし道路)に該当する
2項道路(みなし道路)とは、建築基準法の施行時点で存在していた道路のことです。現在の道路における規定は幅員4m以上ですが、建築基準法ができる前は幅員2.7m以上でも道路として認められていました。
このような道路は今なお全国各地に多数存在しているので、例外として幅員4m未満でも建築可能とされています。
2項道路については、以下の記事もご確認ください。
⇒ 接道義務の例外となる2項道路とは?2項道路に欠かせないセットバックについても解説
・43条但し書き道路に該当する
43条但し書き道路とは、特定行政庁が指定した道路であり、建物を建てても問題ないと認められているものです。自治体によって基準は異なりますが、おもに以下のようなケースが該当します。
● 建築基準法上の道路に接していない
● 敷地内に道路空間として4m以上の空間がある
● 建築する建物は2階以下の専用住宅である
● 通路となる土地の所有者全員から通路使用許可を得ている
以前は建築審査会による許可が必要でしたが、2018年の法改正以降は特定行政庁が定めた基準を満たせば、許可不要となりました。
43条但し書き道路の詳細については、こちらの記事でご確認ください。
⇒ 再建築不可物件の所有者必見!43条但し書きの概要や注意点など解説
■「セットバック」で再建築不可物件でも建設できる!
セットバックの概要や基本的な流れ、再建築不可物件売買における必要性について解説します。
◇セットバックとは?
セットバックとは、土地と道路の境界線をその道路の中心線から後退させて、幅員4mを確保する方法です。 道路の幅を広げることで接道義務を果たせるので、建物を建設できるようになります。
道路を挟んだ反対側に建物がある場合、道路の中心線を基準にして均等にセットバックします。一方、道路の反対側にあるものが河川・崖・線路などの場合、反対側の境界線から4m以上のところに後退しなければなりません。
セットバックを行なった場合、後退した部分の土地は建築面積に含まれない点にも注意が必要です。勝手にフェンスや門塀を設けると、近隣住民とのトラブルに発展したり、行政指導の対象になったりする可能性もあります。
なお、セットバックを実施できる道路は、先述した2項道路(みなし道路)に該当します。
セットバックの幅の決め方や計算方法については、以下の記事でご確認ください。
⇒ 接道義務とセットバックとは?必要な費用や計算方法・注意点も紹介
◇セットバック手続き、工事、施工後の流れ
セットバックの手続きや工事、工事後の流れも押さえておきましょう。
・実地調査
まずは自分の土地が接道義務を果たしているかどうか、事前に確認しましょう。現地での目視ではなく、役所の公図を使って調査する必要があります。
おもな問い合わせ先は建築課や道路課ですが、助成金を受けられるかどうかも一緒に確認しておくと効率的です。
・事前協議書の提出
セットバックが必要なことがわかったら、自治体に事前協議書を提出します。おもな添付書類をまとめたので、以下も併せてご確認ください。
● 付近見取図
● 境界確定図
● 現場写真
● 公図の写し
● 配置図
● 後退用地求積図
● 土地登記簿謄本
● 印鑑登録証明書
フォーマットや添付書類の詳細については、自治体のホームページでご確認ください。
・測量・事前協議の実施
各書類を提出したら、自治体職員による測量や中心線の検討などが実施されます。それに続いてセットバック後の道路管理方法、整備方法などを協議するという流れです。
協議が終わると協議書が交付されるので、建築確認申請書とセットで役所に提出します。建築確認申請書がないと、セットバック工事を実施できません。
・セットバック工事の着工
建築確認審査に合格して確認済証を受け取ると、セットバック工事の開始です。新築や建て替えをともなう場合、先に建設工事を行ないます。
なお、セットバック工事は自治体が契約した委託業者が実施します。
セットバックの費用相場が知りたい場合、以下の記事をお読みください。
⇒ 接道義務とセットバックとは?必要な費用や計算方法・注意点も紹介
・助成金・固定資産税免除を申告
自治体の助成金がある場合、セットバック工事完了後に申請します。また、セットバック部分の固定資産税は課税されないため、非課税申告も必要です。
◇再建築不可物件の売却はセットバックが必須?
再建築不可物件は売却できないわけではありませんが、以下のような理由から売れにくいのが実情です。
● 新しい家を建てられない
● ローンが下りにくい
● 不動産としての需要が低い
セットバックを実施すると、再建築不可物件ではなくなる(新築が可能になる)ので、買い手もつきやすくなります。
ただし、セットバックには手間と費用がかかるため、売り主の負担になりやすいことも事実です。そのため、再建築不可物件を手放したい場合、専門の不動産買取業者に依頼することをおすすめします。
セットバックせずに売却できれば、余計な出費を抑えられるため、放置による以下のようなリスクも回避可能です。
● 固定資産税の6倍課税
● 建物の倒壊
● 損害賠償
● 不法投棄・不法侵入
手間や費用を削減したいなら、まずは専門の不動産買取会社に相談しましょう。
■再建築不可物件のセットバックでお困りなら「第一土地建物」へ!
再建築不可物件の売却を考えている場合、セットバックに関する問題を抱えている場合、ぜひ「第一土地建物」までお問い合わせください。
第一土地建物では、売却が難しい再建築不可物件を専門に買い取りを実施しています。セットバック工事が必要な物件、他社で断られた物件も買い取っているため、初めて不動産を売却するという方でも安心です。
さらに、物件の調査から買い取りまで一貫で対応しており、ノウハウが充実しているので、最短で即日査定もできます。業者間取引も含めて豊富な買取実績があり、高価買取の事例も多いため、納得のいく売却を実現可能です。
買取実績はこちら
https://saikenchikufuka-kaitori.com/result
傾き・雨漏り・シロアリ被害といった訳アリ物件、残置物ありの物件などの買い取りも行なっているので、まずはお気軽にご相談ください!
ホームページはこちら
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■まとめ
所有する土地が再建築不可物件の場合、どうしても用途が限られるため、一般的な不動産会社での売却は困難です。セットバックを実施すれば、接道義務の履行によって売却しやすくなりますが、さまざまな手続きが必要であり、工事も行なわなければならないので、手間と費用がかかります。
専門の不動産買取業者に依頼すれば、再建築不可物件でもスムーズに買い取ってもらえるため、セットバック以外の方法として検討してみてはいかがでしょ
年間100件以上を扱う第一土地建物なら、お客様のご要望に応じた買取プランをご用意いたします。
お問い合わせから引渡しまでの流れ
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