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 再建築不可の固定資産税は安い?税金の計算方法や固定資産税評価額の調べ方などを解説



記事公開日

最終更新日 2022年4月22日

物件の購入を考える際、固定資産税は非常に気になる点の一つです。税金がいくらかかるのかを計算せずに物件を購入したところ、「固定資産税が思ったよりも高額で支払いに苦労した」というケースも少なくありません。そんななか、固定資産税の安さから注目されるようになっているのが再建築不可物件です。

ここでは再建築不可物件における固定資産税の計算方法や、固定資産税評価額の調べ方などを紹介します。検討中の物件と照らし合わせて確認してみてください。

固定資産税の基本

そもそも固定資産税は何にかかる税金なのか、その内容や計算方法など固定資産税の基礎知識について見ていきましょう。

固定資産税とは?

固定資産税とは、毎年1月1日の時点で所有している物件や土地に対して課される税金を指します。固定資産税の標準税率は1.4%ですが、詳細は各自治体が取り決めるためそれ以上の税率での徴収も可能です。

具体的には、土地や建物の条件、構造などをもとに市町村が計算した「固定資産評税価額」と、自治体決定の税率をかけた値が固定資産税として徴収されます。自治体がどの程度の税率を採用しているかはホームページなどで確認できるため、事前に調べておくと安心でしょう。

固定資産税の計算方法

税率を1.4%と想定した場合、固定資産税の税額は以下の方法で算出できます。

固定資産税=課税標準額(固定資産税評価額から計算)×標準税率(1.4%)

課税標準額とは、固定資産税評価額に対して特例や控除を適用し、最終的に算定された値を指します。固定資産税評価額は、自治体ごとの基準で評価された値で、実際の課税額とは異なるものです。
土地や家屋に関する固定資産税評価額は3年に1回見直されるため、最新の評価額を確認しておきましょう。

固定資産税評価額の軽減措置を受けられる特例としては、以下が挙げられます。

小規模住宅用地(200平方メートル以下)の部分に対して:固定資産評価額(課税標準額)×1/6

一般住宅用地(200平方メートル超)の部分に対して:固定資産評価額(課税標準額)×1/3

再建築不可物件の固定資産税は安い?

再建築不可物件とは、土地の立地や形状が現行の建築基準法上で問題があり、建物の建て直しができない土地のことです。その土地に現在建っている建築物を壊して新たに建築することができません。
この再建築不可物件では、通常よりも固定資産税が安価となっていますが、そもそもなぜ固定資産税が安いのでしょうか。

資産価値が低いと税金が安い

再建築不可物件は、既出のとおり自由に建物を立てたり建て直しをしたりすることができないために、不動産としての利用価値・資産価値などが低いと見なされます。そのため、再建築が不可と判断されると土地の評価額も低く出るのです。

また不動産の評価には、建物を通常の維持管理を行なったと想定して経過した年数で価格を下げる「経年減価補正率」が設定されています。内容は家屋が築45年以上になると、評価額が新築の価格の2割まで下がるというものです。
再建築不可の物件は建築基準法が改正される以前に建てられた建物であるため、多くが築年数4、50年を越えます。そのため経年減価補正率に沿い費用が抑えられるのです。

再建築不可の物件は、以上のような要因で資産価値が低いと見なされ評価額も小額になります。評価額が低いと不動産取得税や登録免許税、相続税も安くすみ、物件保有に関する税金が抑えられるのです。

固定資産税が最大6倍になってしまうケースも

前章にて、再建築不可物件の固定資産税や各種税が安くなる旨を解説しましたが、一方で固定資産税が膨らむ場合もあります。最大で6倍という膨大な税金に苦しまないためにも、事前によく知っておきましょう。

更地にすると固定資産税が最大6倍

固定資産税には軽減措置があり、住宅用地の特例で家屋などの住宅が建っていた物件は1/3~1/6まで固定資産税が減額されます。しかし住宅が建っていた物件を更地にするとこれまで受けられていたこの特例が適用されなくなり、固定資産税の負担がこれまでの最大6倍にまで増大するのです。

再建築不可物件は更地にしてしまうと新しい建物は建てられず住宅用地の特例も受けられなくなるので、場合によっては税金がかさむ一方となるので注意しましょう。特に再建築不可物件を購入し、更地にして売りに出したい、住宅を解体して整備し直し駐車場経営したいと考えている場合には入念な下調べと見積もり検討が必要です。

特定空家等に指定されると固定資産税が最大6倍

再建築不可物件は、昨今社会問題にもなっている空き家に該当するリスクもあります。平成27年5月から施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、物件の家屋などが特定空家等に指定されると住宅用地の特例が受けられなくなるというものです。特例に適合しなくなった場合は、更地にした時と同様に最大6倍の固定資産税がかかります。

特定空家等に指定されるのは、倒壊の危険性が高い状態、管理が行き届かず景観を損なっている状態、衛生上有害な状態であるなどと判断された建物です。

物件が特定空家等に指定されたという事例はまだそれほど多くはないですが、増加する空き家に自治体が本腰を入れて対処を始める可能性は十分あります。再建築不可物件は建物の状態にまで注意が必要です。

再建築不可物件の固定資産税評価額を調べる方法

物件を購入する際には、できるだけ情報を集めておきましょう。物件の固定資産税評価額は固定資産税の想定を算出するのにも不可欠であり、重要度の高い数字です。ここでは自分の所有する物件はもちろん、これから購入を検討する物件の固定資産評価額を調べる方法を紹介します。

固定資産税の調べ方

固定資産税は、現在所有している物件に関して課税明細書や固定資産税台帳を閲覧することですぐに調べられます。明細には固定資産税評価額も記載されているため、毎年送付される納付書とセットで保管しておくと便利です。固定資産税台帳は自治体の窓口で閲覧可能ですが、役所などへ行く必要があるため時間の都合がつきづらい場合は注意しましょう。

ほかにも固定資産評価証明書を取得する方法があります。固定資産評価証明書は固定資産税台帳に登録されている固定資産税評価額を証明する書類です。物件の所有者やその代理人などが自治体の役所窓口や出張所、もしくは郵送で請求します。固定資産評価証明書を取得するには本人確認書類や手数料が必要ですが、固定資産税評価額の内容証明となるので持っていて損はありません。

また、まだ物件の所有者ではなく、自治体の発行する証明書などにはアクセスできない場合は、売り主から直接聞く方法もあります。物件の購入を前向きに考えている買い手になら、売り主も教えてくれるケースが多いです。この方法なら、もし売り主が固定資産税評価額をわからない場合でも窓口などで確認してもらえることがあります。物件保有者であれば簡単に照会できるため、頼んでみるのもひとつの方法です。

固定資産税から各種税金の額もわかる

固定資産税や評価額がわかると都市計画税、不動産取得税、登録免許税の計算も可能になります。各種税の計算の方法は固定資産税と同じで、固定資産税評価額にそれぞれの税率を掛けた値が課税額です。

都市計画税の税率は最高で0.3%、不動産取得税は土地や家屋の場合で3%、住宅ではない家屋の場合で4%、登録免許税は所定の税額となります。これらの税率は自治体や所有する不動産の種類によっても異なる点に注意してください。

まとめ

固定資産税は物件や不動産所有者に毎年課せられる税金です。再建築不可物件は資産価値が低いと見なされ、一般に固定資産税が低い傾向にあります。しかし更地にしてしまったり、管理が行き届かず特定空家等に指定されてしまったりすると、安かったはずの固定資産税が増大してしまう可能性もあるので要チェックです。

再建築不可物件の所有に悩みや疑問がある時には、実績あるノウハウを持った専門の業者にまず相談してみましょう。
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【著者】 岡村 岳 (第一土地建物 株式会社 代表取締役)

当サイトを運営する第一土地建物株式会社の代表取締役。1982年生まれ。

専修大学法学部卒、株式会社エイビスにてマンション販売事業・戸建仲介事業に従事し、長田商事株式会社を経て2016年に第一土地建物株式会社へ専務取締役として参画。2017年に代表取締役に就任。

関東近郊を中心として、さまざまな条件のついた流通の難しい不動産の扱いに専門知識を持ち、年間100件以上の再建築不可物件に携わる。



お問い合わせから引渡しまでの流れ

  1. STEP01 お問い合わせ
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  2. STEP02 物件の調査
    再建築可能か不可か調査し、再建築不可であれば、可能に出来るのかも含めて調査致します。
  3. STEP03 査定
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  4. STEP04 契約
    物件の査定額にご納得いただければご契約の流れになります。
  5. STEP05 お引き渡し
    最終残代金をお支払いした後、鍵のお引き渡しになります。

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