再建築不可物件はどうするべき?放置するデメリットと活用方法を徹底解説!
記事公開日
最終更新日 2021年2月8日
再建築不可物件の所有者となったものの、「物件をうまく活用できない」「相場がわからず売却できない」などの理由から放置してしまっている例は少なくありません。再建築不可物件を放置したままにしておくと、さまざまなリスクをともないます。そのため、何らかの方法で現金化したり有効活用したりする方法を考えたいところです。
この記事では、再建築不可物件を放置することで起こる問題と、問題を回避するために考えられる物件の活用方法について紹介します。
目次
■再建築不可物件をどうする?再建築できない理由
そもそも再建築不可物件はなぜ建て直しができないのでしょうか。建物の建て直しが認められない理由はいくつかありますが、住宅で問題になるのはおおむね以下の3つになります。
・接道義務を果たしていない
再建築不可物件で最も多いのが、接道義務違反の土地です。建物の敷地は、道路に対して原則として間口が2m以上接道していなければいけないというルールがあります(建築基準法42条、同43条)。専門用語ではこれを接道義務と呼び、接道義務に違反している場合には建築確認が必要となる新築や増築について建築許可がおりません。
・既存不適格物件である
建設した当時は建築基準法などの法令に適していたものの、建築基準法改正などによって現行の規定に適合しなくなった物件があります。これを既存不適格物件といいます。既存不適格物件は違法ではありませんが、現行の規定にあわせる必要があるため、現在と同一の建物に建て直すことはできません。
・市街化調整区域内に建っている
市街化調整区域とは、無秩序な市街化を抑制する区域です。この指定エリアに位置している土地に家の建て直しなどをする際は、都市計画法に基づき自治体に対して開発許可の申請が必要です。必ず許可されるとは限らないため、この場合も再建築不可とされる場合があります。
■再建築不可物件をどうする?物件を放置するデメリット
再建築不可物件は、活用方法が難しい側面があるため、取得したあとも放置されがちです。ただし、再建築不可物件を放置すると、以下のような問題が発生する場合があるため、注意が必要です。
◇倒壊する可能性がある
建物が老朽化している場合、放置しておくと倒壊するリスクがあります。再建築不可物件は建築から数十年以上経過しているものも珍しくなく、現行の耐震基準に適合していないものが少なくありません。そのため大きな地震が発生すれば崩れてしまう恐れがあります。
倒壊後、同じ土地に新しい建物は建てられないため、建物を失うことになります。
◇特定空家に指定されることも
建物が古く、そのまま放置すれば倒壊などのリスクがある空家は、自治体から必要な措置をとるよう助言、指導したり、改善したりするよう勧告の対象となる空家対策特別措置法の特定空家等に認定される場合があります。特定空家が建っている土地は、固定資産税・都市計画税が減額される住宅用地としての特例措置を受けられないため、認定されると固定資産税額が3倍から6倍、都市計画税が1.5倍から3倍に跳ね上がります。
◇近隣に被害を与える可能性がある
建物が倒壊して通行人や近隣に被害がでる可能性もあります。民事訴訟に発展し、建物の適切な管理を怠っていたことが原因であると認定された場合、損害賠償請求が命じられることも考えられます。
被害者が大けがをしたときや、隣家の一部を破壊してしまった場合など賠償額が大きくなることもありますので早めの対策が必要です。
■再建築不可物件を有効活用!
再建築不可物件の放置はリスクが高いため、何らかの方法で物件を活用しながら適切に管理するか、早めに売却するのが望まれます。ここでは、物件を活用すると仮定した場合、どのような方法が良いか紹介します。
◇再建築可能物件にする
建て直しができない物件を再建築可能にして資産価値を高める方法です。接道義務違反が理由で再建築できない場合は、以下の2つの対策が考えられます。
・セットバックする
セットバックとは、物件が面している道路が幅員4m未満である場合、道路に面した部分の敷地を後退させ、その部分を公道として提供することで接道義務を満たす方法です。道路の中心線から2mまでが道路の一部となって道路が広がります。
セットバックによって接道義務が満たせば敷地に建築できるようになりますが、セットバックして後退した部分の私的な利用ができなくなります。建物は建てられませんし、庭としての活用もできなくなります。実質的に敷地が狭くなるため注意が必要です。
・隣地を買い取って接道義務を満たす
隣地の一部またはすべてとあわせることで接道義務を満たせるのであれば、隣地を買い取って1つの土地にしてしまう方法があります。土地を買い取るための資金と、隣人との交渉が必要ですが、物件の価値を高めて売却したい場合はおすすめです。
◇更地にして駐車場経営
土地を更地にして駐車場を経営することも可能です。更地にしてしまえば建物の管理は必要ありません。また、賃貸経営などで必要になる修繕費用も発生しません。
管理の手間やコストが少なく済みますが、その一方で、家が建っているときと比べて固定資産税や都市計画税が高くなります。住宅地であれば評価額が固定資産税では3分の1から6分の1、都市計画税では3分の2から3分の1になるという特例を受けられますが、更地は軽減措置の恩恵を受けられないからです。特例が適用されない点を考慮したうえで選択肢の一つに入れるようにしましょう。
◇更地にしてトランクルーム経営
更地にする場合、駐車場のほかにコンテナを設置してトランクルーム(貸倉庫)の経営を行なうこともできます。コンテナ購入費用のほか一般には建築基準法に基づく確認申請が必要となりますので駐車場よりもややコストはかかりますが、管理コストを抑えられることから利回りが高くなる傾向にあります。
立地などの条件が良ければ、実質的な利回りが20%、高ければ30%に達することもあります。一度更地にする手間と費用はかかるものの、コンテナを購入するだけで初期費用は少なく、ラニングコストもかからないため、軌道に乗ればコストパフォーマンスの高い投資といえます。
◇リフォームをして賃貸経営
再建築不可物件を賃貸用の住宅として貸し出す方法もあります。フルリフォームして新築同様にできれば、高めの家賃を設定しても借り手が見つかる可能性は高くなります。
なお、再建築不可物件は建物が老朽化していることが多く、リフォーム費用が高額になりやすい点に注意が必要です。投資した費用をどのくらいの期間で回収できるか、需要のある立地かどうかなども見極めたうえでリフォームするかどうか判断することになります。
■再建築不可物件をどうする?売却も検討しよう!
ここまで再建築不可物件を有効利用し、放置リスクを抑えつつ利益を生み出す方法を紹介してきました。しかし、いずれの方法も多少なりとも費用負担が発生するため、実行が難しいと感じた方もいらっしゃるでしょう。
このような場合は売却も選択肢の一つになります。再建築不可物件に特化した不動産会社もあるほか、対応力がある不動産会社であれば、古家つきの土地や残置物のある物件もそのまま買い取ってくれることがあります。
買取業者を選ぶときは、再建築不可物件の買取実績があるかを事前に確認しましょう。通常の不動産買取業者では、再建築不可物件の買い取りはできない場合や、価値を正しく評価できないことがあります。
業者の買取実績はWebサイトで公開されていることが多いため、候補の業者のサイトをチェックしたうえで問い合わせるのがおすすめです。
■まとめ
再建築不可物件は、放置したままにしておくと状態が悪化して倒壊したり特定空家として認定されたりする懸念がでてきます。このような事態を避けるために早期の現金化や収益物件として活用することを考えていくのがよいでしょう。
個人間売買では買い手がつかない、あるいは初期投資費用が捻出できず収益化が難しいといった場合は、業者への売却もおすすめです。
当社は再建築不可物件など訳あり物件の買い取りを専門に行なっており、他社から買取不可といわれた物件も積極的に査定しています。建物の状態が悪い、土地の境界が確定していないなど、難のある物件も大歓迎です。ぜひお気軽にご相談ください。
年間100件以上を扱う第一土地建物なら、お客様のご要望に応じた買取プランをご用意いたします。
お問い合わせから引渡しまでの流れ
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