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 通行地役権とは?通行地役権の登記・時効取得・トラブル事例を紹介



記事公開日

最終更新日 2022年4月22日

 

「通行地役権」とは、近隣の住人との間で設定する土地の権利の一つです。非常に重要なものではありますが、ある日突然「通行地役権を設定させてほしい」といわれても、知識がなくどうすれば良いかわからないという方もいるでしょう。

 

また、通行地役権は土地の売買でも関係してくることがあります。近隣とのトラブルを避けるため、どのような権利なのかあらかじめ知っておきましょう。この記事では、通行地役権に関する一般的な知識と、実際に発生するトラブルの例を紹介します。

 

■通行地役権の基礎知識

まず通行地役権とはどのような権利なのか、基本的な情報を整理してみましょう。

 

◇通行地役権は他人の土地を通行できる権利

通行地役権は、他人の土地の一部を自分のために使用する権利である「地役権」の一種です。なかでも「他人の土地を通行すること」を目的に設定される権利で、通行したい人と、土地の所有者との間で結ばれる契約により権利が発生します。

 

似た権利として「囲繞地通行権」が存在しますが、通行地役権は土地の所有者との合意によって発生する権利であるという点で囲繞地通行権とは異なります。通行地役権は合意のうえ任意で設定する権利のため、通行料の有無や権利の期限などは当事者間で自由に定めることが可能です。

 

◇地役権の種類

地役権は通行地役権のほかにも存在します。一般の方が触れる機会があるものとして代表的なのは、他人の土地を経由して水を引く「引水地役権」や、隣地の建物で眺望を損なわないように設定する「眺望地役権」などです。

 

なお、地役権を設定する場合、権利を設定する対象の土地を「承役地」、権利者の土地を「要役地」と呼びます。

 

■通行地役権には時効がある

本来、通行地役権は所有者との契約によって発生・消失する権利ですが、時効により取得・消滅する場合があります。

 

まず、通行地役権の取得時効についてです。民法は取得時効の要件に関して、以下のように規定しています。

 

「二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。」
引用元:民法第百六十二条

 

以上は所有権の取得時効に対する規定です。ただし、通行地役権に関しても10年から20年にわたり他人の土地を通路として使用し続けている場合、取得時効により通行地役権が発生する可能性があります。

 

判例によると、通行地役権の取得時効には、他人の土地をただ通行するだけでは足りないと解釈されるのが一般的です。通路を開設し、誰が見ても通行の事実がわかるようにしなければ、時効による取得はできないとされています。

 

では、消滅時効に関してはどうでしょうか。民法291条・166条は「継続的に行使される地役権」は権利の行使が妨げられる事実が生じてから、20年で時効により消滅すると規定されています。通行地役権の「行使が妨げられる事実」とは、利用している通路に壁や建物が建てられた場合などです。この要件を満たしていると、土地の所有者との契約期間中でも通行地役権が消滅することがあります。

 

また、取得・消滅いずれの場合も「継続的」という言葉が含まれている点には、注意が必要です。

 

■通行地役権をめぐるトラブルは多い

 

他人の土地を通行するという権利の性質上、通行地役権をめぐるトラブルは珍しくありません。特に、相続や物件取得の際に発生しやすいため、対象の土地に通行地役権が設定されている場合は事前に備えが必要となります。

 

◇相続のタイミングで起こりやすいトラブル

承役地(通行される土地)が相続され、それまで通行していた通路が工事されて通れなくなった、といったトラブルが発生することがあります。以前の所有者から「暗黙の了解」のような形で利用を認められていても、相続人にその意思が引き継がれるとは限りません。

 

こういったケースでは、時効により通行地役権を取得しているか否かが判断の基準となります。通行地役権を取得している場合は、通行地役権に基づく妨害排除の請求が可能です。

 

◇物件購入時に起こりやすいトラブル

敷地の一部が通路として利用されている土地を購入し、塀を立てて通路を塞いだところ、通路を利用している隣家からクレームが入ったというケースもあります。

買い主には関係がないようにも思えますが、通路を利用している隣人が時効により通行地役権を取得していると、買い主が勝手に通路部分を塞ぐことは難しいでしょう。話し合いなどで隣家の同意を得ることができれば、通路を塞ぐことは可能です。

 

■トラブルを防ぐには地役権の登記が必須!

 

通行地役権は、所有権など他の権利と同じように登記することができます。登記とは、権利や不動産の所在などを法務局のデータベースに登録することで、誰でも閲覧できるよう一般公開する手続きのことです。通行地役権にまつわるトラブルを防止するためには登記を行なうことが重要となります。

 

◇地役権の登記はなぜ必要?

地役権は契約の当事者間で同意が取れていれば、登記は必要ないようにも思えます。しかし、地役権関連のトラブルで問題になりやすいのが、権利関係に第三者の介入が発生した場合です。その際、地役権を登記していないと、権利が設定されていることを第三者に対して対抗(主張)することができません。

 

例えば、前述の相続や売買のようなケースの場合、地役権を登記していなければ、新たな所有者に契約の履行を要求できないこともあります。

 

また、要役地(通路を利用する側の土地)の所有者が変わった場合も注意が必要です。地役権が登記されていないと、承役地の所有者は契約を履行してもらえない可能性もあります。それまで受け取っていた通行料の支払いを拒否されたり、一方的に契約の解除を通告されたりといった問題に発展することも考えられるでしょう。

 

何より、法務局に登記して一般公開すれば、新たな所有者は相続発生前や売買の前に地役権の存在を知ることができます。無用なトラブルを未然に防ぐという観点からも、地役権の登記は重要といえるでしょう。

 

◇地役権を登記するには?

地役権の登記は、物件所在地の管轄法務局で手続きしてください。地役権を登記する際、必要なものは以下のとおりです。

 

【地役権の登記で準備するもの】

必要書類
備考
登記原因証明情報
契約書など
承役地の登記識別情報(権利証)
印鑑証明書
3ヵ月以内のもの 承役地の所有者が用意
地役権図面
承役地内のどこに地役権を設定するか図示した図面
本人確認書類・認印
承役地・要役地の所有者それぞれが用意

 

ただし、登記の際は当事者の両方が関わるため、トラブルが起きるケースもあります。また、手続きはやや煩雑で必要書類も多くあります。スムーズに手続きを行なうためにも、専門家に依頼するのがおすすめです。

 

■まとめ

通行地役権は、他人の土地を通行に利用するという性質上、トラブルの種になりやすい権利です。明確な合意のもと権利を設定できていれば良いですが、時効により消失・取得した場合は問題が発生するケースもあります。登記を行なうことでトラブルを未然に防止できることもあるため、早めに手続きするのがおすすめです。
 
ただし、通行地役権が設定されている土地の場合、売却の際にネックになりやすいという側面もあります。仲介を利用した個人間取引では買い手が見つからないこともあるため、不動産会社の買い取りサービスも併せて検討してみましょう。
 
当社は、さまざまな「訳あり不動産」を取り扱う不動産の専門会社です。権利関係の複雑な土地も買い取りできる場合があります。買い手が見つからない、他社に買い取りを断られた土地も喜んで査定いたします。ぜひご相談ください。

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【著者】 岡村 岳 (第一土地建物 株式会社 代表取締役)

当サイトを運営する第一土地建物株式会社の代表取締役。1982年生まれ。

専修大学法学部卒、株式会社エイビスにてマンション販売事業・戸建仲介事業に従事し、長田商事株式会社を経て2016年に第一土地建物株式会社へ専務取締役として参画。2017年に代表取締役に就任。

関東近郊を中心として、さまざまな条件のついた流通の難しい不動産の扱いに専門知識を持ち、年間100件以上の再建築不可物件に携わる。



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