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 旗竿地とは?購入するメリット・デメリットや注意点を解説



記事公開日

最終更新日 2022年4月25日

 

旗竿地は、その形状や性質から“住宅地として活用しづらい”といわれており、通常の住宅地と比べて敬遠されやすい土地です。しかし、実は隠れたメリットも多いため、家を建てる土地を探している方なら検討の余地があります。正しく評価できるよう、旗竿地への知識を身に付けておきましょう。

 

この記事では、旗竿地の特徴とメリット・デメリットを紹介します。

 

■そもそも旗竿地とは?

そもそも、旗竿地とはどのような土地で、なぜ旗竿と呼ばれるのでしょうか。

 

◇文字通り旗のような形の土地

旗竿地とは、敷地が道路から離れ奥まった場所に位置し、敷地から伸びた長い路地で前面道路とつながっている土地です。上から見ると敷地部分が旗、路地部分が竿に見えることから“旗竿地”と呼ばれます。

 

旗竿地以外に、“路地状敷地”“敷地延長”と呼ばれることもあります。

 

◇旗竿地が存在する理由

旗竿地が生まれる理由の一つが、土地の分譲販売です。例えば、前面だけ道路に面し、三方向を既存の土地や建物に囲まれた大きな土地を4分割して販売するケースを考えてみましょう。

 

この土地を十字に4分割すると奥側の道が接道しませんが、かといって横並びに4分割すると、各土地が縦に細長くなり住宅用地としては使いにくくなります。このような場合、十字に分割したうえで、道路から見たときに奥側となる2つの土地を旗竿地とすることで家を建てやすくすることがあるのです。

 

旗竿地が生まれる理由はさまざまですが、その一つに“売れやすいように土地を分譲するため”という事情があります。

 

■旗竿地のメリット・デメリット

 

家を建てる際に旗竿地を候補とする場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

 

◇メリット1.販売価格が安い

旗竿地は、形の整っていない、いわゆる“不整形地”の一種です。不整形地は一般的に活用しづらいため、価格が安いといわれています。

土地の購入費用が安く抑えられる分、建築予算や、新生活の準備にお金をかけることもできるでしょう。

 

◇メリット2.環境が比較的静か

立地における旗竿地のメリットが、奥まった位置にあるため比較的静かに暮らせるということです。前面道路からある程度の距離があるため、自動車の通行音や、道路で遊ぶ子どもの声なども届きにくいといえます。

通行人の視線が気になることも少なく、プライバシーも確保しやすいでしょう。

 

◇メリット3.路地を活用できる場合がある

路地にある程度の広さがある旗竿地であれば、土地活用の自由度が向上する場合があります。

 

例えば、四角形の整形地に駐車場や庭を作ると、家の床面積はどうしても狭くなります。一方、旗竿地の路地部分はもともと住宅を建てるのに向かないため、路地に花壇や子どものためのスペースを設置すれば、床面積を圧迫することはありません。

 

自動車の有無や路地の幅にもよりますが、うまく活用することで、低予算で理想の暮らしを実現できることもあります。

 

◇デメリット1.建築費用が高くなるケースがある

旗竿地の購入で注意しなければいけない点の一つが、路地の幅によっては建築コストが高くなる可能性があることです。

重機や作業用の車両が侵入できないほど狭い場合、工事にはより多くの人手が必要になります。また、電気やガスなどライフラインの引き込み工事が発生すれば、その分さらに費用がかかります。

 

◇デメリット2.風通しや日当たりが良くない

日当たりや風通しの面からも、旗竿地の購入には注意が必要です。先述の、「奥まった位置にあるためプライバシーが確保しやすい」というメリットは、周囲が建物に囲まれていることの裏返し。周辺環境によっては、一日中日陰になり、空気の淀んだ家になってしまうこともあるかもしれません。

 

昼間の日照を確保するためリビングを2階にするという手もありますが、高齢になった場合にやや生活しづらい住宅になるリスクがあります。また、すでに高齢者のいる家庭では実現が難しいでしょう。

 

◇デメリット3.デッドスペースになってしまうことも

建築基準法では、都市計画区域・準都市計画区域内の土地は、「幅4メートル以上の土地に2メートル以上接道する義務がある(例外あり)」と定められています。裏を返すと2メートル接道していれば問題はないので、路地が最低ラインの2メートル幅で作られている旗竿地も多いのです。

 

路地の幅が2メートルしかない場合、通路以外にあまり活用方法がなく、デッドスペースとなる可能性が高いでしょう。そのうえ、通路としてしか利用できない土地でも税金は発生するため、少々損をした気分になるかもしれません。

 

また、路地の幅が2メートルしかないと、乗用車でも大型のものは停められません。たとえ軽自動車であっても、駐車すれば路地のスペースを大きく圧迫することになります。車を持っている場合にも、路地の幅には注意が必要です。

 

■旗竿地のデメリットは解消できる!

ここまで旗竿地のメリットとデメリットを紹介しましたが、デメリットに関しては工夫次第で解消することも可能です。

 

・費用は総額で相談

旗竿地に住居を新しく建築する場合、土地の安さだけに気を取られると建築費が思いのほか高額になる可能性があります。そのため家の建築にかかる費用は、土地の購入費や住宅建築の費用、ライフラインの引き込み費用なども合わせた総額で計算しましょう。

 

ハウスメーカーなどの業者に依頼する際は「総額で○○万円までで」と依頼し、明細入りの見積もりを取ると予算を超過しづらくなります。

 

・敷地に中庭を設ける

風通しや日当たりが悪くなりやすいリスクは、家に中庭を設け、大きな窓を設置することである程度軽減できます。中庭が作れるかどうかは敷地の広さにも依存しますが、うまく活用できれば居心地の良い家になるでしょう。

 

・路地をお洒落にレイアウトする

幅の狭い路地は通路としてのみ使用されがちです。しかし、あえて路地をお洒落にレイアウトし、庭の一部かのようにコーディネートすることで、ぐっと洗練された印象の家になります。

 

■旗竿地を購入する際の注意点とポイント

旗竿地は、土地の状態や周辺環境によって、住みやすさが大きく変化します。旗竿地の購入を検討する場合、以下のポイントに注意してください。

 

【旗竿地を購入する際にチェックすべきポイント】

チェックポイント 概要
・路地部分の幅と長さ
・工事車両が通行できる幅かどうか
・接道義務を満たしているか
・ライフラインの引き込み状況
・電気やガスの引き込みがない場合、追加費用が発生
・周辺の土地の工事予定 ・周囲が空き地の場合工事予定があるか
・将来的な風通しや日当たりに影響

 

以上は、旗竿地に建築する際の予算や住み心地に大きく関わるポイントのため、慎重に確認してください。

 

■まとめ

旗竿地は、奥まった敷地から道路に向かって路地が延びている形状の土地です。その形状から敬遠されやすく、多くの場合通常の住宅地と比べて安く購入できます。

 

旗竿地はメリットとデメリットを併せ持つため、購入を検討する際は、土地の条件や自身のライフスタイルを考慮したうえで判断する必要があります。

 

第一土地建物は、旗竿地をはじめとした不整形地や接道義務違反の土地などを広く取り扱う不動産会社です。旗竿地でお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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【著者】 岡村 岳 (第一土地建物 株式会社 代表取締役)

当サイトを運営する第一土地建物株式会社の代表取締役。1982年生まれ。

専修大学法学部卒、株式会社エイビスにてマンション販売事業・戸建仲介事業に従事し、長田商事株式会社を経て2016年に第一土地建物株式会社へ専務取締役として参画。2017年に代表取締役に就任。

関東近郊を中心として、さまざまな条件のついた流通の難しい不動産の扱いに専門知識を持ち、年間100件以上の再建築不可物件に携わる。



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