再建築不可物件は更地にするのがおすすめ?メリットとデメリットを解説
記事公開日
最終更新日 2022年4月22日
古家の建っている再建築不可物件は、更地にしたほうが良いといわれることも多いです。とはいえ、一度更地にしてしまうと建物の建て直しが難しいことから、更地にするかどうか迷っている方も少なくありません。
そこで、この記事では再建築不可物件を更地にするメリットとデメリットを紹介します。
目次
■再建築不可物件を更地にするメリット
再建築不可物件は、更地にしてしまうとデメリットが大きいといわれていますが、実はメリットも存在します。更地にする場合の利点を考えてみましょう。
◇メンテナンスの負担がなくなる
第一に、再建築不可物件をメンテナンスする手間が大幅に軽減します。再建築不可の土地には古い家が建っていることが多く、激しく傷んでいることも珍しくありません。人の住んでいない空き家の場合特に傷みが早く、なかには倒壊の恐れがある物件も存在します。
物件の劣化を防ぐためには相応の手間と費用をかけて維持する必要があります。建物を取り壊して更地にしてしまえば、定期的にかかる維持および管理のコストは発生しなくなります。
◇土地単体の活用が可能になる
再建築不可物件を更地にすると、土地単体での活用が可能になります。例えば、ぼろぼろの古家が建っている場合、物件の活用は難しいのが現実です。物件をリフォームしようとしても、老朽化の進んだ建物のリフォームには高額な費用が発生することも珍しくありません。
土地を更地にすれば、駐車場や自動販売機の設置など、新たな活用方法も選択肢に入ってきます。土地活用の自由度が大幅に増すという面では、更地にすることには大きなメリットがあるといえるでしょう。
■再建築不可物件を更地にするデメリット
メリットもある一方、再建築不可物件の更地化はデメリットも存在します。更地にしてから後悔しないよう、あらかじめ考えられる問題を整理してみましょう。
◇再建築ができない
再建築不可物件は、読んで字のごとく再建築ができません。一度更地にしてしまうと建物を新たに建てることはできないため、建物の建築が前提の活用はできなくなります。
住宅や事務所として活用したいのであれば、建物を残したうえでのリフォームが必要です。そのため、建物の状態や予算からリフォームの可否を考慮し、そのうえで更地にするか決定する必要があります。
◇固定資産税が高くなる
土地に建っている住宅を取り壊すと、固定資産税が大幅に増加する場合があります。住宅が建っている土地は、その面積に応じて固定資産税が最大で6分の1になる“住宅用地の特例”が適用されており、固定資産税が軽減されているからです。
再建築不可物件の建物を取り壊すと、軽減されている固定資産税が最大6倍に増加します。この点も考慮したうえで、更地にするかどうかを検討しましょう。
なお、建物が空き家かつ老朽化が著しいと、自治体から“特定空き家”の認定を受けることがあります。この場合、すでに軽減税率の適用は無効化されているため、取り壊しても固定資産税が増加することはありません。
◇売りたくても売れない
土地を更地にすると、売却したくてもできないという状態に陥る可能性があります。更地になった再建築不可物件は建物の建築ができなくなり、用途が大きく制限されるためです。
このような事情から“再建築できない土地”の不動産市場での需要は非常に低く、一般の仲介業者では取り扱いを断られることもあります。
■更地にした再建築不可物件の活用方法
再建築不可物件は、更地にしてしまうと活用が大きく制限されます。しかし、資産としての活用がまったくできないわけではありません。更地にした再建築不可物件の活用方法を紹介します。
◇家庭菜園
更地にした再建築不可物件は、家庭菜園として活用できます。所有者が趣味で野菜を育てるのはもちろん、貸し農園として収入源することもできます。農家の利用する農地と違い、家庭菜園であれば面積の小さな土地でも十分に活用可能です。土地を耕すなど、畑として使えるよう状態を整える必要はありますが、選択肢の一つになるでしょう。
しかし、家庭菜園としての活用を検討するのであれば、雑草や害虫の発生に注意が必要です。近隣トラブルの原因にもなり得ますので、こまめに手入れをしなければなりません。
◇駐車場経営
再建築不可物件を更地にしたあと、駐車場として活用することも可能です。大がかりな設備が必要なく、駐車料金を徴収できるため初期投資額を安く抑えたい方におすすめできます。
駐車場経営は、契約した相手に月額で貸し出す月極駐車場と、時間で料金を取るコインパーキングの2種類に分類することができます。地域の需要や車事情に応じて適したタイプを選ぶと良いでしょう。
なお、再建築不可の土地のなかには、駐車場にできない物件も多いです。前面の道幅が狭く車が進入できない、他の土地に囲まれて接道していないといった立地の土地は駐車場には向きません。
◇自動販売機ビジネス
土地に自動販売機を設置するのも、再建築不可物件の活用方法の一つです。業者に土地だけを貸して売上の一部を対価として受け取る方法と、自己運営を行なう2つの方法があります。
土地を提供するケースでは収入は比較的少額ですが、管理やメンテナンスの手間をかけずに収入を得られます。一方、自己運営は商品の仕入れから販売、機械の管理を自分で行なうため、大きく稼げる一方リスクは無視できません。運用方針に合った手法を検討してみましょう。
自動販売機を設置して収入を得る場合、ゴミの放置や害虫の発生、利用者がたむろすることによる防犯リスクなども存在します。状況によっては土地の所有者が対策を行なう必要も出てくるため、その点も考慮して検討する必要があります。
■再建築不可物件を売却する2つの方法
再建築不可物件は、更地にすることで活用の選択肢が広がるメリットもありますが、住宅地としての利用が難しくなるなど難点も。そのため、更地にするだけではなく売却も同時に検討するのがおすすめです。再建築不可物件を売却する2つのパターンを紹介します。
◇再建築可能にして売却
再建築不可物件は、多くの場合建築基準法の定める“接道義務”に違反していることから建て直しを制限されています。一般的に、建築基準法は“幅4メートル以上の道路に2メートル以上”接道することを求めるため、この接道要件を満たせれば建て直しが可能になります。
また、その他にも以下のような方法で再建築可能にできる場合があります。
【再建築可能にする方法(一例)】
敷地の後退(前面道路の中心から2メートルを道として提供する(セットバック))
43条但し書き道路(自治体の許可を得て再建築可能にする。ただし必ず許可が出るわけではない)
参考:再建築不可でも建て替えできる?上手な活用法なども解説
参考:再建築不可物件の救済措置とは?おすすめの活用法などを紹介
◇そのまま売却
また、再建築不可物件をそのままの状態で売却できる場合もあります。再建築不可物件を買い取ってくれる可能性があるのは“隣地の地主”“訳あり物件の買い取り業者”です。
隣の土地の所有者は、再建築不可物件を買い取ることで土地を拡張できます。また、隣も再建築不可状態で、土地を合体させることで接道義務を満たせる場合は、隣地所有者にとってもメリットが大きいので、買い取りに応じてくれる可能性は十分にあるでしょう。その一方、隣地所有者による土地の買叩きや、残置物を撤去するよう要求される可能性がある点は考慮が必要です。
訳あり物件の買い取り業者とは、通常の不動産仲介業者が難色を示す物件を専門に取り扱う業者のことです。買い取った土地の独自の販路を確保していることも多く、適正価格での買い取りが期待できます。仲介と比べて現金化までのスピードも速いため、売り主にメリットが大きい売却先です。まずは無料見積もりで価格を調べてみることをおすすめします。
■まとめ
再建築不可物件を更地にすることは、管理の手間の削減や活用方法の増加などメリットもあります。一方、建物が建てられないことから住宅地としての売却が難しくなるため、用途が限定される点がデメリットです。最終的に物件をどうすれば良いかは持ち主の方針しだいですが、最終的に収入にしたいのであれば売却もおすすめです。
再建築不可物件の売却先として検討できるのが訳あり物件を専門に取り扱う不動産業者です。当社第一土地建物では、年間100件以上の物件を買い取っています。空き家つき、隣地との境界が不明など不安のある物件も買い取り可能です。再建築不可物件でお困りのお客様はお気軽にお問合せください。
年間100件以上を扱う第一土地建物なら、お客様のご要望に応じた買取プランをご用意いたします。
お問い合わせから引渡しまでの流れ
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