再建築不可物件の相続手続きはどうする?相続放棄や売却方法も解説
再建築不可物件を相続することになったとき、処分方法に困ることは珍しくありません。相続は人生で何度も経験することは少なく、どうすればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。
再建築不可物件は活用の選択肢が少ない一方、税金は相応に課されます。相続後、運用する予定がないのであれば、売却や相続放棄も含めて今後の検討を進めることが望ましいでしょう。
この記事では、再建築不可物件の相続や相続放棄、売却方法に関する情報を紹介します。
目次
再建築不可物件とは?相続を受ける前の確認が必須
「そもそも再建築不可物件とは?」「うちの土地は該当するの?」という方のために、再建築不可物件とは何か、という点を整理します。
再建築不可物件とは、土地の立地や形状が理由で、建物の建て直しができない土地のことです。その多くは、建築基準法上の接道義務(※)を満たしていません。
再建築不可物件は、建て直しや増築の際にさまざまな制限があるため、住宅用地としての需要が限定的で、売却が難しい傾向にあります。相続財産に古い住宅が含まれる場合、まずは再建築可能な物件か確認しておいたほうがよいでしょう。
※接道義務
住宅用地は建築基準法上の道路(多くの場合幅4メートル以上のもの)に2メートル以上接道していなければならないという義務。
再建築不可物件を相続する流れ
相続の開始から完了までは、おおむね以下の流れで進行します。
1. 相続財産のリストアップと相続人の確定
2. 遺言書の有無と内容の確認
3. 遺産分割協議で遺産の分配を決定する(遺言書があれば不要)
4. 相続税の申告と財産の相続登記を行なう
遺言書を確認する
まずは、被相続人の作成した遺言書がないかを確認します。遺言書がなく、民法で定められた法定相続分とは異なる割合で相続したい場合、後述の遺産分割協議が必要です。
【遺言書の有無を確認する方法】
自筆証書遺言(手書きの遺言)の場合 ・自宅や銀行の貸金庫などを探してみる
・法務局の預かり制度を利用していないか問い合わせる
公正証書遺言の場合 全国の公証役場で有無を確認する
被相続人の意思である遺言書があれば、相続は遺言書の内容にしたがって行なわれるため比較的スムーズに進行します。そのため、相続分の取り決めを行なう前に遺言書を探してみましょう。
遺産と相続人を確定する
次に、遺産分割の対象となる財産を、借金などマイナスの遺産も含めてリスト化します。同時に、誰が相続人となるのかを確認します。
・相続の対象となる財産の確定
遺言書がある場合は財産目録がついている場合も多いため、そちらにしたがいます。
財産は、被相続人(故人)の郵便物や通帳などから調査でき、不動産に関しては法務局で調べることも可能です。不動産をはじめとする評価が必要な財産は、固定資産税などの課税評価額を参考にします。必要に応じて別途鑑定を依頼してもよいでしょう。
・相続人の確認
相続人が誰になるのかは戸籍で確認します。戸籍謄本をもとに親族を確認し、そのうえで、相続人になる人をリストアップしてみましょう。
配偶者や子はほとんどの場合相続人になりますが、その他の相続人の有無はケースによって異なります。誰が相続人になるのかわからない場合、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
遺産分割協議を行なう
遺言書がない場合、相続人の間で遺産分割協議を行ないます。遺産分割協議とは、簡単にいうと遺産の分配に関する話し合いのことです。相続人全員の合意があってはじめて有効となります。合意した内容は、後々のトラブルを防ぐため“遺産分割協議書”にまとめます。
遺産分割協議では、相続分の折り合いがつかず“争続”になり、調停や裁判に発展することも珍しくありません。財産額を正しく評価し、必要に応じて専門家に依頼しましょう。
相続税の申告と相続登記を行なう
遺産分割の内訳が確定すると、相続税の申告・納付と不動産の相続登記をします。
相続税の申告と納付は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内に完了する必要があります。10ヵ月以内の納付が難しい場合は、申告期限までに延長手続きをしてください。
相続の登記に関しては、2021年4月現在の現行法では、特に期限は設けられていません。ただし、現在政府では不動産登記義務化に向けた準備を進めており、近い将来相続登記が義務付けられる可能性が高いでしょう。
また相続登記を行なわないと、次代の相続が発生した際に、相続人が誰かわからなくなるなどトラブルの原因となります。そのため相続したあとは早めに登記するようにしましょう。
【補足】再建築不可物件の相続にかかる税金
不動産を相続すると以下の税金が発生します。
相続税
相続した財産に課される税金。
遺産の額から基礎控除額を控除した金額に累進の税率をかけて計算する。
最大(6億円超)で55%の税率となる。
登録免許税
相続登記の際にかかる税金。
相続にともなう所有権の移転登記の場合、不動産価格の0.4%(住宅向けの軽減税率あり)
その他、不動産の所有者となると、毎年固定資産税と都市計画税(都市計画区域のみ)が発生します。
なお、再建築不可物件は課税の基準となる評価額が低く、税金も安くなる傾向にあります。
再建築不可物件は相続放棄もできる
再建築不可物件の相続を望まない場合、相続放棄も可能です。ただし、相続放棄には所定の手続きがあり、またいくつか注意点を押さえる必要があります。
相続放棄の方法
相続放棄を行なう場合は“相続放棄申述書”を作成のうえ、以下の必要書類を添えて家庭裁判所に提出します。
【相続放棄手続きの必要書類】
相続放棄申述書
被相続人(故人)の除票謄本・住民票の除票
申立人の戸籍謄本
相続放棄には“相続の開始から3ヵ月”という期限が存在します。期限内に手続きを完了させる自信がない場合、司法書士など専門家への依頼も視野に入れるとよいでしょう。
相続放棄の注意点
相続を放棄すると、再建築不可物件以外の遺産も相続できません。仮に、再建築不可物件以外に預貯金などがあっても、一括で権利を放棄することになります。
また、相続放棄をした場合でも、相続財産の管理人を選定するまでは、物件の維持管理を行なう必要があります。相続放棄=“遺産とは無関係になる”というわけではないため注意してください。
相続した再建築不可物件を高値で売却するには?
相続した再建築不可物件を運用できないのであれば、売却も視野に入れることをおすすめします。ただし、再建築不可物件の相場は安く、似た条件の通常の中古住宅の3割から高くても7割程度が一般的とされます。
「買い手がつきやすいようリフォームする」「土地を再建築できるようにしてから売る」という方法もありますが、いずれも相応に費用と手間がかかる方法です。
再建築不可物件を手間なく高く売却したいのであれば、不動産買取業者の買取サービスも検討できます。特に、訳あり物件を専門としている業者であれば、物件の価格を正しく評価できるため、不必要に低い価格を提示される心配もありません。
売却時は、相続した物件の価値と負担できる費用を考慮したうえで、適した売却方法を考えてみましょう。
まとめ
相続財産に再建築不可物件が含まれている場合、その処分に苦労する方は多くいます。相続しても土地としての活用は制限されるため、使い道がないのであれば“相続放棄”か“売却”を検討してみましょう。
売却を考えるのであれば、仲介業者を経由した個人間売買よりも、素早く現金化できる専門の買取業者への売却がおすすめです。
当社は、再建築不可物件など“訳あり物件”を専門に取り扱う不動産業者です。査定だけのご依頼も大歓迎ですので、相続した物件の活用が難しい場合、ぜひ当社にご相談ください。
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