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 再建築不可物件の救済措置とは?おすすめの活用法などを紹介



記事公開日

最終更新日 2020年11月26日


 
そのままでは建物の建て替えが難しい再建築不可物件ですが、所有者のなかには「できればそのままの形で残しておきたい」という方もいるでしょう。このような場合に、再建築不可物件の救済措置となりうるのが“建築基準法第43条但し書申請”です。
 
この記事では、建築基準法第43条但し書申請の具体的な手続きの流れと、そのほかに考えられる活用方法を考えていきます。
 

■再建築不可物件の救済措置となる「建築基準法第43条」

再建築不可物件を、土地の形の変更や私道負担を伴わず、再建築できるようにする手続きが“建築基準法第43条但し書申請”です。では、具体的にどのような手続きなのか詳しく確認していきましょう。
 

◇建築基準法第43条とは

都市計画区域内に位置する土地は、計画的な街作りや、緊急車両の進入などの観点から土地の接道義務についてのルールが設けられています。この規定を設けているのが建築基準法第43条です。
 
通常、都市計画区域内に位置する土地は“幅4メートル以上の道路”に“2メートル以上”接している必要があります。再建築不可物件の建て直しができないのは、土地が接道義務に違反しており、建築許可が出ないためです。
 
接道義務違反の土地としては、以下のような例が代表的です。
 
【接道義務違反の土地(一例)】
 土地が接している道が道路法上の道路ではない
 他の土地にドーナツ状に囲まれており道路に接していない
 道路に接している距離が2メートル未満
 
しかし、接道義務についての規定には一部例外が存在します。その例外が、再建築不可物件の救済措置となる“第43条但し書き”です。
 

◇救済措置の詳細

建築基準法第43条但し書きでは、大まかに言えば、以下の二つの条件にあてはまる土地について例外的に再建築を認めると規定しています。
 
【第43条2項一号】
地方自治体が交通上、安全上、防火上および衛生上支障がないと認めるもの。
 
【第43条2項二号】
敷地の周囲に広い空地があるなど、国土交通省令の基準に適合し、建築審査会の同意を得て許可されたもの。
 
以上の条件は個人で勝手に判断することはできず、市区町村や都道府県の建築審査会の許可を得る必要があります。所定の手続きを経て、再建築しても問題ないと認定・許可された場合のみ、建築確認申請を行なうことができます。
 

■再建築不可物件の救済措置を受ける流れ


 
では、再建築不可物件の救済措置である、第43条の許可申請を行なうには、どのような手続きを行なえば良いのでしょうか。具体的な手続きの流れと、必要書類について解説します。
 

◇救済措置の申請に必要な書類

第43条の許可は、必要書類をそろえたうえで、市区町村の建築関連部署に申請を行ないます。具体的な必要書類は以下のとおりです。
 
【第43条許可申請に必要な書類(一例)】
 現況図
 配置図
 近況見取り図
 土地利用計画書
 登記事項証明書
 隣地の同意書
 公図の写し
 
なお、申請が認められる見込みがあるか、どの書類の添付が必要かなどは、土地の状況や自治体によって規定が異なる場合があります。手続きに不慣れな方のほうが多いと思いますので、各市町村の建築関連部署へ事前に相談することをおすすめします。
 

◇認可されるまでの流れ

市区町村への事前相談から、許可されるまでの一連の流れは以下のとおりです。
 
1. 市町村建築担当部署への事前相談
2. 認定申請書を作成し提出する
3. 事前審査・現地調査
4. 受付
5. 審査
6. 許可・認定
 
最初の事前相談は任意のため、いきなり申請書を提出しても受理してもらえます。しかし、申請手続きを自分で行なう場合、手続きの流れや必要書類などをしっかりと確認しておくことが必要です。そのため、可能であれば事前に相談し、書類の準備や手続きにかかる時間について確認しておくようにしましょう。
 
なお、許可の基準や申請にかかる期間は地方自治体によって異なります。場合によっては一ヵ月以上かかることもあるため、期間に余裕を持ち早めに相談に行くようにしてください。
 

■救済措置を使わずに再建築不可物件を活用するには?

再建築不可物件には、建築基準法第43条の救済措置があるため、許可を得ることができれば建物の建て直しもできるようになります。しかし、申請の手続きは煩雑かつ時間もかかるので、一般の方が気軽にできる方法ではありません。
 
そんな方は、救済措置を使わずに再建築不可物件を活用する方法も検討してみましょう。以下で建物の状態別に活用方法の例を紹介しますので、参考にしてください。
 

◇倒壊の恐れがない物件

まず、建物の状態が良く、倒壊の恐れがない場合です。このパターンでは、引き続き住居としての活用が選択肢に入ります。再建築不可物件だとしても、既定を満たしていれば、リフォームして自分で住むのはもちろん、賃貸用の住宅として貸し出すことができます。物件の状態や周囲の環境次第では、収入源にすることも可能です。
 
なお、賃貸住宅としての運用を視野に入れる際は、定期的に発生する家の修繕費用や税金なども考慮し、収益が出るかどうかを総合的に判断しましょう。賃貸住宅にすれば必ずしも利益が出るわけではない点には注意してください。
 

◇倒壊の恐れがある物件

家の傷みが激しく、放っておくと倒壊してしまうリスクがある物件は、取り壊して土地として活用する手もあります。倒壊の危険があるほど古く傷んでいる家の改修は、新しく家を購入するのと変わらないほど費用がかかることがあります。
 
更地にしてから土地を活用する方法としては、駐車場や駐輪場の経営、資材置き場としての貸し出しなどが視野に入ってきます。また、隣地が接道距離2メートル未満の再建築不可物件であれば、売却を持ちかけてみるのも一つの方法です。合筆(一つの土地として合体させる)して再建築可能にできるのであれば、隣人が買い取ってくれる可能性もあります。
 
土地だけでも、周辺の状況次第では資産として活用できることもあるので検討してみてください。
 

■再建築不可物件は専門家に相談して解決するのもおすすめ

救済措置を利用する場合も、再建築不可のまま活用する場合も、手間や資金など少なからず負担がかかります。どの方法も難しい場合は、専門業者に相談して売却する方法もあります。
 
通常、土地の売買は、仲介業者を介して個人間で取引します。しかし、再建築不可の物件の場合、そのままでは住宅用地としての需要が低く、売れにくいという欠点があります。そこで、専門業者への売却を検討します。
 
専門業者に売却する最大のメリットは、土地の売却に付随する作業や手続きをまとめて任せることができる点です。例えば、隣地との境界が明確でない場合は、確定のための測量や登記が必要ですし、古屋があれば取り壊しや残置物の処分もしなければなりません。こういった面倒な作業も、現金化とまとめて任せることができるのは、専門業者を利用する大きなメリットと言えるでしょう。
 
再建築不可物件の専門業者の活用を、検討してみてはいかがでしょうか。
 

■まとめ

再建築不可物件は、そのままでは住宅用地として活用が難しい物件です。建築基準法の救済措置や、取り壊し・リフォームを経て資産とすることもできますが、どれも相応の手間と時間・お金が必要になります。
 
時間がとれない、元手の資金がないという方は、専門業者への売却を検討してみるのも一つの手です。個人で売買する場合と比べて現金化までに時間がかからず、要望によっては現況のままで売却できることもあります。
 
当社では、“訳あり物件”の買い取りも専門的に行っており、他社では断られてしまったような土地でも取り扱い実績があります。査定のみのご相談も歓迎していますので、お困りの方はぜひご相談ください。

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【著者】 岡村 岳 (第一土地建物 株式会社 代表取締役)

当サイトを運営する第一土地建物株式会社の代表取締役。1982年生まれ。

専修大学法学部卒、株式会社エイビスにてマンション販売事業・戸建仲介事業に従事し、長田商事株式会社を経て2016年に第一土地建物株式会社へ専務取締役として参画。2017年に代表取締役に就任。

関東近郊を中心として、さまざまな条件のついた流通の難しい不動産の扱いに専門知識を持ち、年間100件以上の再建築不可物件に携わる。



お問い合わせから引渡しまでの流れ

  1. STEP01 お問い合わせ
    お電話または問合わせフォームよりお問合わせください。
  2. STEP02 物件の調査
    再建築可能か不可か調査し、再建築不可であれば、可能に出来るのかも含めて調査致します。
  3. STEP03 査定
    再建築が可能な場合と再建築不可だった場合での査定額を迅速に提示致します。
  4. STEP04 契約
    物件の査定額にご納得いただければご契約の流れになります。
  5. STEP05 お引き渡し
    最終残代金をお支払いした後、鍵のお引き渡しになります。

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